福島便り
「日本近代詩の父」と呼ばれる詩人萩原朔太郎を顕彰し、優れた現代詩に贈られる「萩原朔太郎賞」の選考委員に、福島市の詩人和合亮一さん(56)が選ばれた。
萩原朔太郎賞は、萩原の出身地の前橋市と「萩原朔太郎賞の会」が主催する文学賞。谷川俊太郎さんや清水哲男さん、元県文学賞詩部門審査委員の荒川洋治さんらが受けている。和合さんは2019(令和元)年9月に詩集「QQQ」(思潮社)で第27回萩原朔太郎賞を東北6県在住者として初めて受賞した。
選考委は受賞経験者や現代詩壇を代表する文学、詩学に精通した専門家で構成する。毎年8月1日~翌年7月31日の発表作から受賞作を選ぶ。和合さんは昨年末、萩原の孫の朔美さんら関係者から推薦された。2023年に「皆神山」で受賞した詩人の杉本真維子さん(埼玉県)も新たに就いた。委員の顔ぶれは詩人・小説家の松浦寿輝さん、文芸評論家の三浦雅士さん、詩人の日和聡子さんを合わせた5人となる。
和合さんにとって、萩原は詩と出合うきっかけとなった詩人という。「大学の卒論の題材にするなど特別な思いがある」とした上で「その名を冠する賞の選ぶ役目を任され、大変な名誉だと感じている。今後も現代詩の可能性を追求し、福島から全国に発信したい」と意欲を語った。