福島便り
「昆虫の聖地」を目指す福島県田村市が大阪・関西万博で展示するカブトムシのモニュメントが完成し、10日、市役所でお披露目された。大きさは約2メートル四方で上部のカブトムシがステンレス製、下部の切り株は鉄製で総重量は約180キログラム。キラリと輝く造形は、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」をイメージした。5月20日から24日まで万博会場のEXPOメッセに展示し、国内外からの来訪者に「昆虫の聖地
田村市」をアピールする。
作品のタイトルは「共生」。市出身の彫刻家・吉野ヨシ子さんが監修し、スタジオジブリ関連の作品などを手掛ける清和現代彫刻(栃木県)が協力した。吉野さんは市内の星の森保育園児と一緒に折り紙で「昆虫の木」を作る過程で、カブトムシのモニュメントを着想したという。
お披露目式では白石高司市長、大橋幹一市議会議長、吉野さん、園児が除幕した。白石市長は「世界の方々に田村市の豊かな自然と文化、復興の歩みを発信したい」と述べた。吉野さんは「見た人に笑顔になってもらい、多様な命が生きる社会について考えるきっかけになればうれしい」と期待を込めた。
市役所1階で1カ月ほど公開する。万博で展示後、市内常葉町の観光施設「ムシムシランド」に飾る。