大阪・関西万博開幕 震災の記憶、脈々と 復興への思い、世界中から デジタルモニュメントを常設 福島県の今を発信

  • [エリア] 福島市
大阪・関西万博開幕 震災の記憶、脈々と 復興への思い、世界中から デジタルモニュメントを常設 福島県の今を発信

福島便り


13日に大阪市の人工島・夢洲で開幕した大阪・関西万博の会場のシンボル・大屋根リングの手前には「3・11」の記憶を継承するデジタルモニュメントが常設され、国内外からの来場者が震災、原発事故被災地の復興への思いを投稿している。福島市出身の新谷優貴子さん(49)=大阪府吹田市、大阪市・ECC国際外語専門学校留学コーディネーター=は「古里の今が世界に伝わって」と風化が進まないよう願いを込め、モニュメントにメッセージを寄せた。
復興庁が設置したモニュメント「成長する奇跡の一本松」は、スマートフォンなどで文章を送信するとモザイク画の一部に組み込まれ、復興のシンボルである一本松が成長していく仕組みだ。初日は復興が進むよう願う人や被災地にエールを送る人からのメッセージが寄せられていた。
新谷さんは勤務先の学生と共にチャリティーカフェなど復興支援に力を入れている。一方、海外に行った際に福島県を含む東日本がいまだ危険な地域と思っている人の多さに驚いたという。復興に向けて歩みを進める県民の思いや努力が国内外で広まるよう「世界に届け!ふくしまプライド!」などと投稿した。
数多くのパビリオン、出展国の国旗がはためく現地の雰囲気に万博らしさを実感した一方、復興庁のモニュメントが目立たない場所にあることが気になった。「万博は世界に福島の今を発信できる貴重な機会。多くの人に知ってもらえるよう周知の方法を工夫してほしい」と求めた。