福島便り
東京電力は25日、福島第1原発2号機で2回目となる試験的な取り出しで、採取した溶融核燃料(デブリ)を原発の敷地外に出し、茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構(JAEA)大洗原子力工学研究所に輸送したと発表した。JAEAは28日に試料調製や非破壊分析を始める。1年から1年半程度かけて結晶構造や元素の分布などを詳しく調べ、原子炉内の状況推定の精度を向上させる。デブリを本格的に取り出す際の工法や安全対策、保管方法の検討に活用する。
東電によると、採取したデブリは約0・2グラムで、放射線量は毎時約4・5ミリシーベルト。放射線を遮る容器に入れ、午前9時50分に第1原発を出発し、午後1時30分ごろに大洗町の研究所に到着した。
JAEAはデブリの保管や処分に必要なデータを集めるため、1回目に採取したデブリの分析よりも検査項目を増やす方針。担当者は「前回と今回の試料を比較し、生成過程を明らかにしたい」としている。
東電は15日に2回目の試験採取に着手。釣りざお式の装置を2号機原子炉格納容器底部に垂らし、1回目よりも中心部に近い場所から微量のデブリを取り出した。