福島県産農産物輸出量が前年度比倍増 全体は898トン コメは2倍超えの823トン 2024年度過去最多

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福島県産農産物輸出量が前年度比倍増 全体は898トン コメは2倍超えの823トン 2024年度過去最多

福島便り


2024(令和6)年度の福島県産農産物の輸出量は898トンで前年度を445トン上回り、過去最多となった。コメが前年度の2倍に当たる823トンと伸びたのが全体の数字を押し上げた。県が7日、発表した。
県産農産物の輸出量の推移は【グラフ】の通り。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で、2012(平成24)年度に2トンまで落ち込んだが、徐々に回復し、2017年度には震災前の水準を超えた。2023年度に453トンを記録し、2年連続で過去最高を更新した。
県によると、2024年度は、コメが全体の9割超を占めた。国、地域別にみると、274トンのカナダが最多で、前年度と比べ2・83倍だった。172トンのアメリカ(前年度比1・13倍)、122トンの香港(同12・04倍)が続いた。
農林水産省などによると、日本食の人気が上がり、全国的に輸出量が増えている。県によると、県産米はアメリカやカナダでは特に小売りの販売が好調という。香港は料理店などで扱う業務用が伸びた。
果樹では、モモが堅調で、前年度に比べ7トンの増加。輸出先は東南アジアが中心だった。ナシは0・7トン、リンゴは0・5トン減少した。牛肉は6・5トンで前年度並みだった。
県県産品振興戦略課の担当者は「うれしい結果」と受け止めた。一方、今年度の輸出の伸びについては「米価高騰の影響を、おおいに受ける可能性がある」と慎重な見方を示した。