福島便り
福島県只見町はJR只見線の会津蒲生駅の駅舎をアートで彩る。昨年の会津塩沢駅に続く第2弾で、ふくしまプレデスティネーションキャンペーン(DC)に合わせ地域の魅力を発信する。町を舞台にした日台合作映画「青春18×2
君へと続く道」で劇中の絵を担当した絵本作家吉田瑠美さんが7日、制作に着手した。■春の古里モチーフ
吉田さんは幅約5メートル、高さ約3メートルの壁面に絵を描き始めた。会津塩沢駅には只見の夏をイメージした作品を施した。会津蒲生駅では春の古里をモチーフにする。駅周辺から見える蒲生岳と只見線の列車を描く構想だ。雪解け時期の新緑や群生するカタクリ、カモシカなどを配置するという。
吉田さんは映画を手がけた藤井道人監督の姉で、主人公は町出身の設定。会津塩沢駅での制作中、地域の住民が温かく見守ってくれたという。今回も住民が差し入れするなど歓迎を受けている。吉田さんは「只見の自然の美しさは日本の原風景。その素晴らしさを表現したい」と意気込んでいる。
制作作業は15日ごろまで。現在、会津蒲生駅を含む会津川口―只見駅間は大雪の影響で終日運休が続く。「完成するころには再開通してほしい」と願いを込めた。