大雪農業被害3億円超 福島県確定値 会津で過去最大規模

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大雪農業被害3億円超 福島県確定値 会津で過去最大規模

福島便り


2月の大雪による福島県内の農業関連の被害は会津地方を中心に18市町村で総額3億535万円に上り、2014(平成26)年に次ぐ過去2番目の被害額となった。パイプハウスの損傷は県の当初の想定よりも千棟以上多い2938棟に上り被害額は1億9134万円。果樹棚や果樹の樹体を含めた果樹関係は計約9200万円となった。復旧の費用や時間が膨大になると判断し、営農継続を断念する生産者もいるなど影響は広がっている。
県が8日、被害額の確定値を発表した。県内の大雪による農業関係の被害額で過去最高だった2014年は影響が全域に及び、12億5165万円に膨らんだ。このうち会津地方の被害額は約3100万円で今回の大雪の被害額は約10倍と過去最大規模となった。
主な被害状況は【表】の通り。ハウスなどは会津若松市が最も多くイチゴやカスミソウなどの523棟が倒壊などの被害を受け、金額は3755万円に上る。果樹棚は317件で被害額は1535万円。このうち会津美里町のブドウとナシが304件と被害が集中した。会津若松市や磐梯町などでリンゴやカキ、ブドウなどの果樹の枝折れなどの樹体の被害も42件あり、被害額は7747万円となった。
会津若松市によると、大雪の影響を受け、営農を諦める意向を伝えてきた農家が複数人いるという。資材高騰やリースが支援策の対象にならないことが理由でハウス再建を諦めたケースも複数出ている。会津美里町のある果樹農家は「例年に比べ、収穫量の2~3割減は避けられない」と悲痛な声を上げた。
一部の市町村では被災した生産者の営農再開を後押しする施策を始めた。会津坂下町は収穫が見込めない樹木の伐採を独自に支援する。会津美里町はハウスや果樹棚などの撤去費用に関して県の補助に町が上乗せする施策に乗り出した。
県は施設復旧に要する経費の3分の1の補助や倒壊した施設の撤去費用の半額を助成する支援策を設けている。想定を超える被害が生じたことを受け、県農業振興課は「追加の対応が必要かどうか検討中だ」としている。