福島空港の国際線搭乗率 2年連続8割超える 前年度比1・4ポイント増

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福島空港の国際線搭乗率 2年連続8割超える 前年度比1・4ポイント増

福島便り


2024(令和6)年度の福島空港の利用者数のうち、国際線(チャーター便)の搭乗率は83・9%で前年度に比べて1・4ポイント上昇し、2年連続で8割を超えた。コロナ禍後の台湾、ベトナムからの観光客らによるチャーター便の利用が前年度に引き続き好調となった。ただ、県空港交流課は「(路線の維持に向けて)安心はできない数字」としており、運航継続、定期便化に向けた利用増の施策に力を入れる。福島県が8日、発表した。
福島空港の利用者数の推移は【表】の通り。国内線と国際線を合わせると、前年度比3万3433人増の26万2953人となり、新型コロナウイルス感染拡大前の2018(平成30)年度の水準に回復した。
特に台湾、ベトナムからのチャーター便が運航する国際線は利用者が前年度の約3倍に当たる3万3227人で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生後で最も多かった。このうち、台湾便は2019年の1万3546人を超え、1998年の就航以来、最多を更新した。
安定した運航の指標となる搭乗率の就航先ごとの内訳を見ると、ベトナム便が77・7%で前年度より3・8ポイント上がった一方、台湾便が84・3%で前年度より4・5ポイント低下した。県は旅行会社向けのPR支援などを通し、福島、台湾双方の搭乗率向上を目指す。台湾便利用者のパスポート取得の費用を補助するなど、海外渡航者の掘り起こしを目指している。サイクリングなど体験型のツアーを旅行会社に提案し、リピーター増に結び付ける。
国内線は、札幌便が前年度比1477人増の4万1431人だった。コロナ禍を経て機体が小型化し、行楽期などは満席の状況が続いている。大阪便は18万3513人で前年度に比べ1万1393人増えた。県は今年度、大阪・関西万博などに合わせた一層の利用促進を目指す方針だ。