水稲栽培に衛星データ活用 ドローンで追肥の量調整 福島県が実証試験

  • [エリア] 会津坂下町 湯川村
水稲栽培に衛星データ活用 ドローンで追肥の量調整 福島県が実証試験

福島便り


福島県会津農林事務所は今年度、水稲栽培で衛星データを用いた新たな省力化技術の実証試験に初めて取り組む。水田に直接種をまく「湛水直播栽培」で、生育状況に応じた追肥技術の確立を目指す。産地に普及させることで高齢化や農地の大規模化への課題に対応し、収量と品質の向上につなげる。
同事務所によると、実証試験は湯川村の約60アールの水田で実施する。湛水直播栽培は主流の移植栽培より効率的な一方で、苗が倒れやすく、収量が安定しない。こうした課題を踏まえ、県は衛星データを使って水稲の生育状況を解析し、ドローンによる追肥の量を調整する。生育や収量、品質への影響を分析する。
8日、現地でドローンによる種まきの様子を公開した。農業用ドローン事業などを手がけるカネダイ(会津坂下町)の藤田晴樹社長がドローンに約10キロのコシヒカリの種を積み込み、約15分かけてまいた。発芽した後、衛星データを活用した追肥に取り組む。
同事務所会津坂下農業普及所の武藤伝所長は「ドローンを活用して省力化、収量と品質の安定化を図る。生産者に費用対効果を示し、新たな技術を普及させたい」としている。