白河藩主松平定信の業績知って 福島県白河市教委が全児童に出前授業

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白河藩主松平定信の業績知って 福島県白河市教委が全児童に出前授業

福島便り


小1から学ぼう名君の善政―。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」に登場する白河藩主松平定信の正しい理解につなげようと福島県白河市教委は5月から、市内の全小学生に対する特別出前授業に乗り出す。地元の偉人の業績を分かりやすく伝え、次代を担う子どもたちに古里への誇りを持ってもらう。
同市はこれまで市文化財課の学芸員が市内の中学校に出向き、2年生に対して「寛政の改革」や藩主時に施した善政の数々について解説してきた。定信について教育課程では小学6年と中学2年で取り上げるのが通例だという。
特別出前授業は市内に13ある小学校の全児童2728人が対象で、低学年(1・2年)、中学年(3・4年)、高学年(5・6年)に分けて実施する。低学年は身分に関係なく楽しめる南湖公園の造成、中学年には先進的な飢饉対策や子育て支援など、高学年は老中田沼意次や「べらぼう」の主人公蔦屋重三郎との関係などについて学ぶ。定信が施した思いやりの政治「仁政」も理解してもらう。
定信による七分積金(積立金)は後の江戸に恩恵をもたらし、墓所の都内江東区白河1丁目の霊厳寺では毎年、慰霊祭が行われていることも伝える。講師を務める元大信中校長で同市教委学校教育課指導主事の益子朗さん(64)は「低学年にも興味を持ってもらえるように工夫を凝らしたい」と意気込む。
5月末から9月まで延べ16回行う予定。同市の芳賀祐司教育長は「大河ドラマを良い機会と捉え、厳しいだけではない名君のさまざまな功績を幅広く学んでほしい」と話している。